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プロセスマネージメントの本質は読んで字のごとく、「人をマネージメントするな。プロセスをマネージメントしろ」ということです。プロセスマネージメントを実践する場合にいちばん重要なことは、営業という仕事を大きく一括りにするのではなく、各プロセスに分解していくことです。まず下の図を見てください。
営業プロセスが「マーケティング」、「アプローチ」、「課題共有」、「提案」、「受注促進」、「フォロー」の6つに分解されていることがわかります。こうした分解作業を行うことが第一段階です。
次にこの分解した各プロセスを数値として見えるようにします(見える化)。6つのプロセスの下にあるグラフは、各プロセスの成功率を計算して棒グラフ化したものです。営業マン一人のプロセスを数値化してもよいし、営業所ごとに数値化することもできます。いずれにしても各プロセスの実績がどうなっているのか明確にわかるよう、基準や指標を設定して、そのうえで数値化します。
細かく見ていきましょう。まずは「マーケティング」の段階です。これを数値化するためには、たとえば、その営業マンがどれだけ重点店を担当しているのかを明らかにします。つまり重点店担当数を数値化します。次に「アプローチ」の段階では、その重点店担当数のうち、何件アプローチできたのかを計測します。アプローチ数の数値化です。
次に「課題共有」の段階では、アプローチした中で、商談までもっていくことができた数はどのくらいかを明らかにします。創出商談数の数値化です。ここで「課題共有」を商談としているのはなぜかというと、お客様と課題共有してはじめて商談の創出といえるからです。一方的なただの商品説明で終わったのでは商談とはいえません。お客様の課題やニーズをヒアリングして、何を求めているのか、何を悩んでいるのか、課題を共有することが重要です。
課題共有は大きく分けると2つあります。「悩み」と「欲求」です。何を悩んでいるのか、どうしたいのかを明確にしていくことが大事です。一方、法人営業の場合は、その商品を
購入することによって「いくら儲かるのか」「いくらコストが削減できるのか」-この2つを明確にすることが課題共有となります。
課題共有ができたら、次は「提案」です。これは創出商談数のうち提案したのは何回かを数値化します。次の「受注促進」では、提案した数の中で何件受注が決まったのかを数値化します。最後はフォローです。
つまり、6段階のプロセスごとに何を計測するのかを決めておくことが大事なのです。パン工場のたとえでいえば、「配合」の段階では「配合比率」をチェックする、「こねる」の段階では「回数」をチェックする、「発酵」の段階では「温度と時間」というふうに、そのプロセスを計測するポイントを明確にしましょう。
プロセスを数値化して見えるようにしていくと、課題が見えてきます。自分たちにとって不足しているものは何か、問題点はどこにあるのかがはっきりとしてきます。そうすれば、効率的に対応策を考えることができます。
たとえば先ほどの例でいうと、アプローチ数の後に続く創出商談数や提案数や受注数は比較的なだらかな線になっていますが、重点店担当数と比較すると、アプローチ数が大幅に落ち込んでいることがわかります。したがって、受注数を増やすという目的を達成するためには、アプローチの数を増やすことが重要な取り組みになることが見えてきます。
課題が見えたら次に、そのためにはどうしたらいいのかを検討します。人を増やすのか、巡回計画を変えるのか、担当客数を変えてみるのか、社長やマネージャーの腕の見せどころとなります。
このように、要は分解して見えるようにすることが、プロセスマネージメントの基本なのです。そしてもう1つ、重要なことはマネージャーから一般社員へのフィードバックです。プロセスマネージメントを導入すると、営業に関するさまざまなプロセスの情報が蓄積されていきますが、マネージャーはその蓄積された情報の価値やそこから生まれた効果を社員に説明すべきなのです。詳細な情報を蓄積していくことにどんな意味があるのかを一般社員に痛感してもらうためです。自分たちのやっていることにどんな意味があるのか、それを見えるようにし、前向きな議論をする土台とする必要があるのです。