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プロセスマネージメントとは直訳すれば「業務の過程を経営する」こと。ホワイトカラー、おもに営業マンの生産性向上のためにソフトブレーン株式会社の創業者である宋文洲が提唱した経営手法のひとつです。
これまでの営業は、個人の勘やコツや経験が重要視されてきました。これらが秀でた営業マンは、確かに優秀な営業マンですが、人材に依存する営業はやがて行き詰ります。継続的に安定的に発展するには、こうした個人の勘やコツや経験に頼る営業ではなく、会社として業務を可能なかぎり「標準化」して、それを「計測」しながら運用していく組織体制をつくることが重要です。
「営業生産性」という大事な問題があります。営業生産性を向上させるためには、どのような要素が必要かということを方程式として一般化したものがあります。
まず、営業生産性を向上させるために増やさなければならない要素は、方程式の分子にあたる3つの要素、すなわち商談件数、商談規模、商談成約率です。商談件数は、10件動かしている営業よりも20件動かしている営業がいいに決まっています。商談規模は100万円よりも200万円がいい、成約率は2割よりも3割がいいのは当たり前です。
減らさなければならない要素は、「分母」となる商談期間です。この要素は結構忘れがちなのですが、コスト削減の面からも、お客様が戻ってきてくれる率からいっても、とても重要な要素です。この4つの要素をモニタリングして「測る化」し、数として明確化することによって、営業生産性をアップさせる具体的なポイントが見えてきます。
こうして、個人の経験や勘に頼る営業から、組織として測る化する営業へと変えていくことがプロセスマネージメントの第一歩となるのです。プロセスマネージメントの導入によって、組織は“変化体質”で、“人が伸びる組織”へと劇的に再生します。
プロセスマネージメントの基本となるコンセプトを、パン工場を例に取り上げて整理します。
おいしいパンを焼きたいという「目的」があるときに、その目的を達成するための「プロセス」を設計し、「実行する」ことが必要です。まず最初の段階として良質な小麦と水とイースト菌を調達します。次に、それぞれの配合のベストな比率とこねる回数を決めておく。さらに発酵時間、オーブンの温度まですべて細かく業務内容を決めておくことによって、おいしいパンを大量生産することが可能です。
つまり、プロセスマネージメントとは、あるひとつの目的や目標を設定した場合に、その目的や目標に向かってどのような手続きを踏めばいいのかプロセスを決め、その設計図面を描くこと。そして、そのプロセスに従って皆で業務を実行していく、その一連の活動をプロセスマネージメントと呼びます。
プロセスマネージメントを実行する場合に重要なことは、極力精神論や相性論を排除することです。なぜか?結論から言うと個人の能力に依存した方法から脱却できないからです。
売上を伸ばしたいとき、社長やマネージャーのタイプは大きく2つに分かれます。1つは「皆がんばれよ!しっかりやってくれ」と叱咤激励するタイプ。もう1つは、具体的な指示を出すタイプ。たとえば、「A君、B君、C君にこの300人分のリストを渡すので、1人100件ずつ電話をかけよう。その際、次の3問をお客様に質問してニーズの有無をチェックしよう。来週は、チェックが付いたお客様に対してアポイントをいただいて商品説明をして商談を進めよう」という具合。
前者の精神論タイプでは、がんばって結果が出る人と出ない人がいます。つまり結果が俗人的なのです。一方、具体的な指示がある場合は、均一な結果が出ます。
プロセスマネージメントを導入するメリットを整理すると、おもに下記の効果が挙げられます。
・業務の効率化、最適化につながり、結果として業績向上に結びつく
・変化を拒む組織、既得権がなくなることを恐れるマネージメント職のソフトな切り崩しに使える
・日常、ルーティンを破る
・変化を恐れない風土が出来上がる
・個人が自立し、中間マネージャーが育つ