松原産業株式会社
ホームページを作っても問い合わせはゼロ
⇒ 全国から月100件以上の問い合わせが殺到
新たなビジネスチャンスが次々に誕生
ホームページを作っても問い合わせはゼロ
福井県に本社がある松原産業さんは、発泡スチロールの製造・加工を手掛ける会社です。明治8年創業という老舗でもあり、北陸近畿圏内中心の営業で、特に地元の福井県では80%以上のシェアを誇っています。そのため、営業は既存の顧客を回って新しい発注をとりつけるという「ルート営業」が中心でした。
5年ほど前、新規事業を立ち上げた際にホームページを立ち上げたことはありましたが、たまに問い合わせがある程度で、ホームページを作った効果はほとんどありませんでした。
それからしばらくして、もともと持っている発泡スチロールの製造・加工技術を紹介する、総合的なホームページを立ち上げたいと考えるようになりました。しかし、すでにあるホームページと同じものを作ると、また問い合わせがほとんどないという事態を招くかもしれません。何か解決策はないかと探していたときに、ソフトブレーン・サービスのホームページにたどり着いたのです。
不特定多数のターゲットを対象にする
ホームページを立ち上げるにあたり、最初の課題は「ホームページのターゲットを誰にするか」ということでした。上田さんも、既存の顧客がどういうものを欲しがっているのかは分かるけれど、どのような人が発泡スチロールを欲しがっているのか、見当がつかなかったのです。
不特定多数のターゲットを相手にホームページを展開するのは、かなりの冒険になります。まったく予想外の依頼が飛び込む可能性がありますし、お金にならない案件ばかりを呼び込むリスクもあります。
けれども、松原産業さんはもともと1個からでも注文を受け付けるという柔軟性を持っていました。ありとあらゆる形や大きさ、用途に対応して加工する高い技術を持っています。逆に、ターゲットを絞らないのを強みにできるのではないかと考えました。
そこで目指したのが、「このホームページを見れば、発泡スチロールのことは何でも分かる」というホームページ。まずは発泡スチロールの知識がない人が読んでも分かるように、商品ごとに画像とともに特徴や用途を簡潔に紹介するよう心がけました。さらに、商品を探すときに、商品ごと、加工種別、注文数から探せるように分けたほか、どんな顧客から依頼が来てもいいように、業界ごとにどのように発泡スチロールが使われているのかが一目で分かるようにしました。
SEOは当社が中心になって行いました。現在、「発泡スチロール」というキーワードだけでも10位には入りますし、「発泡スチロール 加工」で検索すると1位や2位に出てきます。これで、ユーザーをホームページへと導く導線作りは整いました。
ホームページに集客をさせる仕組み作り
ホームページを作る前にまず考えたのは、営業プロセスです。松原産業さんは社員数60名、そのうち営業マンが5名(現在7名)という規模の企業なので、自然と営業マンの仕事は多くなります。そのうえ、80%のシェアを持っているのなら、既存の顧客に対するアフターフォローはかなりの重要度を占めます。
そこで、新規顧客を集める役割はホームページに任せればいいのではないかと考えつきました。無料見積もりと無料でサンプルを配るシステムを整えておけば、営業マンがセールスしなくても、ホームページを見て「これ欲しいな」と思った人が自ら問い合わせてきます。営業マンの負担はグッと軽くなります。今すぐ客を確実に集客するため、トップページの目立つ部分に、目立つ大きさで「無料見積もり」「無料サンプル」のフォームを設けました。
全国から問い合わせが殺到
新しいホームページを立ち上げて間もなく、目に見える形で効果は現れました。それまではホームページを見ての問い合わせはゼロに等しかったのですが、月に100件以上の問い合わせが来るようになったのです。営業マンだけでは対応できないので、窓口担当者を任命して、顧客からの問い合わせに迅速に対応できるようなシステムを整えました。
何よりうれしいのは、全国から問い合わせがあること。それまでは北陸、近畿地方に取引先が集中していたのですが、北海道から沖縄まで、まさしく津々浦々から問い合わせが来るようになったのです。新規の顧客も増えていきました。
ターゲットを不特定多数にしているので、やはり予想外の問い合わせは多いようです。学校関係者から「文化祭の材料にしたい」「卒業制作に使いたい」という問い合わせがあったり、研究・開発の分野の人から「こんな形のものを作ってほしい」と頼まれたりするなど、ユニークな依頼をたまに受けるとのこと。東京のインテリアデザイナーからも相談を受けるなど、想像もしなかった分野で仕事のチャンスが生まれているのです。これは思いがけない副産物でした。
自分たちで頭をひねって新商品を考えなくても、顧客の方からどんどん提案してもらえるのです。営業はホームページに、新規開発は顧客に、という新しいパターンを生み出したのかもしれません。